人件費ケチは時代遅れ

今朝、日経新聞の一面に掲載された記事によると、「賃上げが景気回復につながらない」という見解が示された1996年の不況期に日本郵船の元会長である根元氏が日経連会長として賃上げの停止を主張し、雇用を優先する考え方が蔓延した日本社会。結果その後の賃上げの停滞を引き起こし、日本の給与水準が先進国の中で低下しました。
それから約30年後、日本郵船は18%の賃上げを実施しました。同社の曽我社長は「人件費を成長投資と考える」と述べています。

賃上げを実施した企業の業績向上が目立つデータがあるとのことです。これが業績向上による賃上げなのか、賃上げが従業員のモチベーションを高める結果なのか、あるいは高額給与によって優秀な人材を確保できた結果なのかはまだ明らかではありませんが、少なくとも新聞メディアはこの傾向を報じる風潮があります。

高収入の代名詞として、キーエンスはよく知られています。2023年度のキーエンス社員の平均給与は2,279万円で、総収入の50%が賞与であると言われています。賞与は年に4回支給され、これは社員に常に業績を実感してもらうためです。
さらに、キーエンスでは部門評価に基づいて給与が決定され、成果が出ない社員はチーム全体で育成されるとのことです。

このような記事を読みながら、昨日は私たちの会社でも夏の賞与支給日でした。
多くの中小企業の経営者も、できれば大企業のような賞与を社員に支払いたいと思っているでしょう。それを実現するためには、経営者を甘やかさず、厳しくする必要があるかもしれません。社員も望む給与を得るためには転職を考えるべきかもしれません。優秀な経営者の下であれば、それが可能になるはずです。能力のない経営者は淘汰されるべきでしょう。
もし本当に社員に多くの賞与を支払いたいという気持ちがあるなら、弱音を吐くのではなく、それを実現することが経営者の役割です。

現在、厚生労働省は今年度の最低賃金の決定に向けて最終段階にあります。私たちが考えるべきは、一律の賃上げではなく、優秀な社員を確保し企業成長を目指すために、経営者は国が定める最低賃金にとらわれず、賃上げを断行すべきだと思います。

経営者は自らに厳しく、社員も成果を上げるために厳しく働き、その結果として企業が成長し、社員に利益を分配する仕組みが必要だと考えます。

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