ベニクラゲというクラゲが、いま世界中の研究者の注目を集めています。
通常のクラゲは繁殖を終えると寿命を迎えますが、ベニクラゲは一度成熟したあと、再び幼い状態である「ポリプ」に戻ることができます。
この若返りの過程では、「分化転換」と呼ばれる現象が起き、細胞が別の役割へと作り変わります。
本来、生物は
受精卵 → プラヌラ幼生 → ポリプ → 幼クラゲ → 成熟クラゲ
という一方向の成長をたどりますが、ベニクラゲはここから再びポリプに戻るという、いわば“やり直し”が可能なのです。
さらに2022年にはゲノム解読が進み、若返りに関係する遺伝子の候補も見つかりました。
この研究が進めば、将来的に「老い」そのものの仕組みが解明される可能性もあります。
こうした話を聞くと「人類の不老不死」というテーマに思いが広がりますが、私自身は必ずしもそこに強い関心があるわけではありません。
それよりも、私が考えたいのは「会社や社会のあり方」です。
一般的に、組織は成長し、やがて成熟し、そして衰退していきます。
しかし、もしベニクラゲのように、成熟した後でも構造的に生まれ変わる仕組みを持てたとしたらどうでしょうか。
社会環境がどう変わっても、社員が働き続け、家族を養い続けるためには、会社そのものが存続し続けることが重要です。
そのためには、単に現状を守るのではなく、
自ら過去のやり方を壊し、変化し続けることが必要なのかもしれません。
ふと、日本の重電メーカーを思い浮かべると、東芝や日立、三菱電機の中で、三菱電機は比較的安定した収益を維持している企業の一つです。
外から見ると順調に見える事業であっても、将来を見据えて早めに見切りをつけ、新しい分野へと移行していく。
日立製作所のような大きなV字回復とは違いますが、着実に変化し続けている点は非常に優れていると感じます。
ただしその裏側では、既存事業に関わってきた社員や取引先の苦労もあったはずです。
それでもなお、組織として変化を選び続けられること。
それこそが企業としての本当の価値なのではないでしょうか。
私たちの会社も、ベニクラゲのように、
「必要なときに自らを作り変えられる組織」になりたい。
そのためには、変化を恐れず、今の延長線にとどまらない覚悟が求められているのだと思います。
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