東京オリンピックの開催に向けて「たばこのないオリンピック」というスローガンが掲げられました。このことをきっかけに、2020年から飲食店での原則禁煙が全面施行され、全国的に禁煙や分煙の推進が行われました。

実際に分煙を実施したいと考えても、何からはじめればいいかわからない方も多いはずです。

そこでこの記事では、分煙化をする際に知っておきたいポイントについてご紹介します。分煙する理由や目的をはじめ、得られる効果、具体的な分煙方法や喫煙所を設置する際の注意点も解説します。これから喫煙所の設置を検討している事業者の方はぜひ参考にしてください。

分煙とは

昨今「分煙」についての意識が高まり、「分煙」という言葉を聞く機会も増えているのではないでしょうか。

では、そもそも「分煙」とはどのような定義があるのでしょうか。

「分煙」と一言でいってもさまざまな種類があり、単に喫煙者と非喫煙者を分けるものではありません。こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

分煙する理由

ここからは分煙する理由を喫煙者と非喫煙者の立場から詳しくみていきましょう。

▽喫煙者の立場からみた分煙の目的

  • 受動喫煙を防止する
  • 喫煙者にとって高い安全性と利便性のある喫煙所を設置する

▽非喫煙者の立場からみた分煙の目的

  • 受動喫煙による健康被害の減少・排除
  • たばこの煙や臭いによる不快感からの解放

分煙をする最大の目的は、受動喫煙の防止です。禁煙スペースにいる人たちがたばこの煙を吸わないように防ぐことが重要と考えられています。このように喫煙者と非喫煙者のそれぞれが快適に過ごせる空間を作るように配慮する意味合いを持っているのです。

分煙がもたらす効果とは

日本たばこ産業であるJTは「喫煙者も非喫煙者も共存できる環境」として、分煙が効果的と考え、分煙活動を積極的に進めています。

ここからは、分煙がもたらす効果について詳しくみていきましょう。

喫煙者の立場からみた分煙の効果

  • 非喫煙者への受動喫煙を防止できる
  • 喫煙者自身の受動喫煙を防止できる

たばこの煙による受動喫煙を防げるだけでなく、喫煙者自身の受動喫煙を防止できるため、健康被害を最小限に抑えられる効果が期待できます。

非喫煙者の立場からみた分煙の効果

  • 受動喫煙による影響を防げる
  • 大気の環境を整えることができる

分煙することで、受動喫煙による健康被害から回避できるだけでなく、大気の環境もきれいな空気に保つことができるでしょう。

分煙方法

分煙と一言で言っても、さまざまな方法があります。そこでここからは、主要な分煙方法についてご紹介しましょう。

室内での分煙方法

室内を禁煙と喫煙のスペースに分けて分煙をする方法です。具体的には、次のようなタイプの分煙タイプがあります。

▽エリア分煙
一室をパーテーションなどで間仕切りをして喫煙エリアを作る方法です。空間の開放感を損ねずに、しかも低コストで分煙できるメリットがあるものの、あまり分煙効果ができないといったデメリットもあります。

▽フロア分煙
フロアごとに喫煙フロアと禁煙エリアを設けるスタイルの分煙方法です。たばこの煙は高い方に上る性質があるため、上層階を喫煙フロアとして設定することをおすすめします。エリア分煙よりも分煙効果は高いものの、たばこの煙の漏れを防ぐことは難しいと言えるでしょう。

▽個室化分煙
喫煙ブースを室内に設けるスタイルの分煙方法です。壁やガラスで間仕切りを作るため、同フロアで完全分煙が可能となり、喫煙者と非喫煙者が上手に共存できるメリットがあります。

しかし、フロアの一部を個室化するための改修工事が必要なことや、喫煙スペースが狭い場合や個室が壁の場合は閉塞感を与えてしまう可能性があるといったデメリットがあります。

▽分煙キャビンの設置
個室化分煙ととても似ている分煙キャビンは、コンパクトなタイプから大きめのタイプまでさまざまなタイプが販売されています。販売だけではなくレンタルも可能なので、低コストで手軽に導入できます。煙や臭いをしっかりと除去できる設備が整っており、設置場所の制約が少ないのも特徴です。

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屋外による分煙

フロア内に分煙スペースを設けられない場合は、屋外に喫煙所を設置する分煙方法もあります。フロアの改装工事などが必要ないため、フロア分煙や個室化分煙と比べて気軽に導入しやすい方法と言えるでしょう。

しかし、喫煙エリアをしっかりと分けることが難しいため、近隣の住民や通行人など周辺環境に配慮をした上で設置する必要があります。

時間帯による分煙

同じエリアやフロアで時間帯によって喫煙と禁煙を設定する分煙方法を「時間分煙」といいます。今もオフィスや飲食店で禁煙タイムを設けているケースはあるものの、完全分煙化が推進されている現在では、時間分煙を採用する施設や企業は減少傾向にあります。

たばこの臭いは壁や天井、そして家具に染みついてしまうため、分煙されていたとしても非喫煙者にとって不快に感じることもあるのです。このため時間分煙による完全分煙は非常に難しいと考えておきましょう。

喫煙所を設置する際の注意点

ここからは、施設や店舗で喫煙所を設置する際に知っておきたい注意点についてご紹介しましょう。

屋内喫煙所

屋内の喫煙スペースは、分煙効果の高い「個室化分煙」や「分煙キャビンの設置」がおすすめです。両者ともに、壁で仕切られた状態ですので、非喫煙者の方たちへの悪影響を最小限に抑えることができるでしょう。

さらに、屋外の喫煙所とは異なり天候に左右されることなくいつでも好きなタイミングで利用できるメリットもあります。しかし、間仕切りなどを設置する際の改修費用がかかることや法令を遵守しなければならないこと、そして空調設備を利用することによるランニングコストもかかるといったデメリットもあります。

▽屋内喫煙所を設置する際の注意点

  • 一定の気流を確保するための換気設備を設置すること
  • 定期的な点検やメンテナンス作業を行うこと

快適に喫煙所で過ごすために、喫煙所内の空気を適宜換気するための換気設備や空調システムを設置していきましょう。さらに、高い分煙効果を得るためには、定期的な点検やメンテナンスを行う必要があります。適切な運用方法を徹底することで、正しく喫煙所を利用してもらいましょう。

屋外喫煙所

屋外喫煙所には、大きく分けて「開放型」と「閉鎖型」の2種類があります。

開放型の屋外喫煙所の特徴と注意点

開放型とは、壁などで仕切られることなく、灰皿とかんたんなパーテーションのみで作られた屋外の喫煙所のことです。空気清浄機などの設備投資をする必要がないため低コストで設置できるメリットがある一方、通行人や周辺の人たちへの受動喫煙の原因となってしまいます。また悪天候の際などに利用できないといったデメリットもあります。

▽開放型屋外喫煙所を設置する際の注意点

  • 建物から離れたところに設置すること
  • 人通りが多い通りや場所を避けて設置すること

開放型の屋外喫煙所を設置する際は、受動喫煙のリスクを最小限に抑えるべく周辺環境に配慮する必要があります。建物から十分に距離をとりながら、人通りの多いエリアを避けて設置していきましょう。

閉鎖型の屋外喫煙所の特徴と注意点

閉鎖型の屋外喫煙所とは、屋外にありながらも壁や天井などが設置され、独立した喫煙所を指します。タバコの煙や臭いが外に漏れる心配が少なく、受動喫煙のリスクを最小限に減らすことができるでしょう。

一方で、設置コストが高くつくこと法令に従いながら設置をしなければならないこと、そして空調機などを導入することによるランニングコストが発生するといったデメリットがあります。

▽閉鎖型屋外喫煙所を設置する際の注意点

  • 気流を確保できるような換気設備を設置すること
  • 建物の近くに設置しないこと

喫煙所が煙でいっぱいになることを防ぐために、一定の気流を確保できるような換気設備を設置する必要があります。そして、ブースの隙間から外に煙が逃げてしまわないようにブース内を陰圧にキープすることも大切です。

排出した空気にたばこの煙や臭いがどうしても含まれてしまうため、建物の近くには設置しないように気をつけましょう。排気口の位置にも注意する必要があります。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

分煙化をする際に知っておきたいポイントについて詳しくご紹介しました。分煙と一言でいってもさまざまな種類があり、企業や事業所、店舗ごとに最適な分煙方法は異なります。

分煙システムの導入を検討中の方は、長村製作所の「SMOX」をおすすめします。「SMOX」とは厚生労働省の技術的基準をクリアした屋内外問わず設置可能な喫煙ブースです。最短2週間で設置でき、安心のアフターメンテナンスも利用できます。

興味のある企業や事業所の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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