2020年4月「望まない受動喫煙をなくす」を理念に、改正健康増進法が全面施行されました。しかし、受動喫煙や副流煙による悪影響をまだ具体的に知らない喫煙者も多いのではないでしょうか。
本記事では、副流煙の中に含まれる有害物質について詳しく解説します。また、副流煙が子どもにもたらす悪影響についても紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

タバコの煙に含まれる有害物質とは?

喫煙者が実際に吸い込む煙を主流煙、タバコの加熱部から立ちのぼる煙を副流煙と呼びます。実は、主流煙よりも副流煙の方が、有害物質の含有率が多いのです。
タバコの煙の中には約4,000種類以上もの化学物質が含まれており、そのうち200種類以上が有害物質です。また、発がん性のある物質は60種類以上含まれ、主流煙よりも副流煙に多く含まれていると判明しています。

副流煙に含まれる有害物質の代表例を3つ紹介します。

  1. タール
  2. ニコチン
  3. 一酸化炭素

主流煙との含有量を比較しながら、一つずつ詳しく見ていきましょう。

タバコの有害物質①タール

タールはいわゆる「ヤニ」です。喫煙者の肺を黒くし、喫煙した場所の壁や天井を黄色く汚します。発がん性物質で、肺機能を低下させます。
副流煙中に含まれるタールの量は、主流煙の1.2~10.1倍です。

タバコの有害物質②ニコチン

タバコの有害物質としてもっとも有名なのが、ニコチンではないでしょうか。血管収縮作用があり、心拍数・血圧を上昇させます。ニコチンは依存性が高く、喫煙者がなかなかタバコをやめられない大きな原因です。
副流煙中に含まれるニコチンの量は、主流煙の2.8~19.6倍です。

タバコの有害物質③一酸化炭素

タバコの煙の中に含まれる一酸化炭素は、酸素よりもヘモグロビンと結合しやすく、酸素運搬能を低下させます。息切れや動脈硬化の原因となる有害物質です。
副流煙中に含まれる一酸化炭素の量は、主流煙の3.4~21.4倍です。

副流煙は子どもにどのような悪影響をもたらすのか

たくさんの有害物質を含む副流煙ですが、子どもにどのような悪影響をもたらすのでしょうか?副流煙が子どもに与える悪影響を紹介します。

  1. 発達・発育障害
  2. 乳幼児突然死症候群(SIDS)
  3. 呼吸器疾患・呼吸機能の低下
  4. アレルギー症状
  5. 免疫低下

呼吸器や中枢神経系が発達途上の子どもは、大人よりもタバコの悪影響を受けやすいです。具体的にどのような悪影響があるのかを見ていきましょう。

発達・発育障害

副流煙中に含まれるニコチンや一酸化炭素は、血液の酸素運搬を邪魔する有害物質です。血液がうまく運搬されないと、酸素や栄養が充分に行き届かず、発育・発達に深刻な影響を及ぼします。
両親が喫煙者の場合、子どもに知能低下や低身長が見られる可能性が高くなります。

乳幼児突然死症候群(SIDS)

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因として、乳児の受動喫煙が深く関わっていると指摘されています。両親ともに非喫煙者である場合と比べて、両親ともに喫煙者である場合は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが10倍以上に高まっているのです。

呼吸器疾患・呼吸機能の低下

副流煙中に含まれるタールをはじめとする有害物質は、気管支喘息の発作の誘因となります。また、肺がんのリスクも上がります。
受動喫煙により、呼吸機能が低下すると、運動能力の低下にもつながるため、小さい子どもがいる家庭では分煙や禁煙の徹底が大切です。

アレルギー症状

副流煙中に含まれる有害物質に対し、アレルギー症状が出てしまう子どもも少なくありません。副流煙中の有害物質によるアレルギー症状の一例をご紹介します。

  • 目のかゆみ
  • 目の痛み
  • 流涙
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • くしゃみ
  • アトピー性皮膚炎

免疫低下

受動喫煙により、子どもの免疫能力が低下するのも指摘されています。副流煙に含まれる有害物質が感染への抵抗力を弱めてしまうため、風邪をひきやすくなったり、風邪がなかなか治りにくくなったりします。
また、アメリカでの調査で副流煙を吸う環境にある子どもは、副流煙を吸わない子どもに比べて、虫歯が発生しやすくなることが分かっています。ニコチンの副産物、ニコチンの血中濃度の上昇による、感染への抵抗力の低下が原因です。
上記で挙げた副流煙による悪影響以外にも、タバコが子どもたちにもたらす被害はまだまだあります。タバコの火による火傷や、吸い殻が浸った液体を飲んだ際の急性ニコチン中毒など、命に関わるアクシデントが起きる可能性もしっかり認識しておきましょう。

副流煙が妊婦へもたらす悪影響とは?

タバコは子どもへもたらす悪影響が多くあることがわかりました。

それでは妊婦へもたらす悪影響はあるのでしょうか。別記事の受動喫煙(副流煙)がもたらす妊娠への悪影響」にてご紹介しております。ぜひご覧ください。

子どもの前では「吸わない」対策を!

いかがでしたでしょうか。
タバコの副流煙には、膨大な数の化学物質、有害物質が含まれています。身体が成熟していない子どもは、この有害物質による悪影響を受けやすいのです。
子どもたちを副流煙の悪影響から守るためには、徹底した分煙対策が必要です。未来を担う子どもたちのために、喫煙対策を考えてみませんか?
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