企業にも営業にも必ず戦法は必要です。

私が高校生の時に出会った秋葉原の電気屋を今でも思い出します。
子供心に私は「駅前戦法と呼んでいる販売手法です。」

内容はこうです。
高校生の時にラジカセ(ソニーのジルバップ)が欲しくて、秋葉原に電車に乗り一人で購入に来た時です。子供心に秋葉原に行けば、交渉によっては安く購入できると思っていました。
秋葉原駅に降りると駅前に「サトームセン駅前店」がありました。ちなみにサトームセンは現在は存在しません。
15歳の私はこのサトームセンの駅前店で一人の店員さんに声をかけられます。「お兄ちゃん今日はどうしたの?」、私はSONYのジルバップを買いに来たんです。安くなりませんかと聞きました。
それに対してこの店員さんはこう言いました。
「お兄ちゃん、わざわざ秋葉原まで来たんだから、他の店にも行って交渉してきてごらん。そして必ず、その電気屋に名刺をもらい、そこに値段を書いてもらうんだよ。そして一番安いお店の名刺を持って、最後にもう一度ここにきてごらん。私が必ずその価格から500円引いてあげるから。」と告げられました。

私はこのサトームセンの電気屋さんのいう通り、一生懸命お店を周り交渉してきました。そして一番安かった名刺を持って元の駅前店に向かいました。この店員さんは約束通り500円を引いてくれました。

それから15年後私は家電量販店担当の電機メーカーのサラリーマンでこの秋葉原担当になり、駅前のサトームセンの駅前店に向かい、この話をしたところ、サトームセン駅前店の店長はこう説明してくれました。
「秋葉原に来るお客さんは1円でも安く買うために来ているんです。だから駅前の店て買ってすぐ帰るお客さんなんかいないんだよ。必ず他に行くんだよ。そこで最小の労力で成果あげるために考えた手法なんだよ。」と話してくれました。

私はこのサトームセンの店員さんにいいように誘導され、一生懸命に電気屋さんを歩かされ、更に各電気屋さんに商品内容を教えてもらい、本来最後に購入するサトームセンの店員さんの業務を私と他の店舗の人で行った訳です。でも思うのです、少なくとも15歳の私は満足した1日で、欲しかったジルバップが買えたのです。

秋葉原では駅前は決して有利な場所ではないのです。多くのお客さんは製品説明だけ聞いて、他に行ってしまうのです。
このように、自分の状況、長所、短所を見極め、戦法が必要なんです。ただ真面目に営業すれば売れるわけでは無いのです。注ぎ込んだ労力に見合う成果が必要なのです。

私は思うのです、お客さんが知らず知らずのうちに相手のペースの中で動き、結果あたかも自分の意思で決断をするようにすることが、販売の極意なのではないかと。
会社の経営も同じで、真面目に一生懸命働くことは間違っていないが、それだけでは収益は上げられません。そして社員を満足させる給与が支払うことはできません。
必ず収益をあげる必殺技が必要なんです。

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