日々、安心して工場での仕事をおこなうために、取り入れたいことがいろいろあります。安全対策も必要ですが、どんなことに力を入れたら良いのでしょうか。

ルールを作ることで、トラブルを防止できるほか業績アップも期待できます。また、暑さ対策もしっかりおこなっていきましょう。そのために、会社ができることと従業員一人ひとりができることがあります。

工場内でのルールの必要性

複数の人間が集まり生産活動をおこなう現場では、共通のルールをもうけて注意しながら作業を進めることが必要になります。ルールがなければ、働く従業員がそれぞれ自分の考えで行動してしまうため、時に予想していなかった事故やトラブルに発展してしまう可能性があるからです。悪気がなく行動してしまっても、共通認識がなければ思わぬことが発生してしまうこともあるのです。

では、ルールをつくり守りながら働くとどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1 未然にトラブルを防止できる

ルールをつくることで、さまざまなリスクを避け、未然にトラブルの発生を防げます。仮に、これまで不適切であった習慣が続いていたとしても、ルールをつくり修正しながらより良いルールのうえで作業できれば、みんなが安心できる環境で安全に仕事ができるようになります。また、ルールをつくることで、みんなで危機意識を持ちながら仕事に取り組めるようになるのも、大きなメリットだと言えるでしょう。

業務レベルを一定にまとめることができる

同じルールのもとで仕事ができるため、すべての従業員が同じ標準で進められるといったメリットがあります。何か説明する際に、マニュアルに沿って伝えられるため、スムーズに進められるほか、わかりやすく注意しやすいなどの良さもあるのです。

業績アップが期待できる

ルールがないと、不満が出やすい傾向があります。ルールが用意されていれば、共通認識で仕事に取り組めるため、やる気が出やすく業績アップにつながりやすいなどのメリットもあると言えるでしょう。

工場で多い事故とは

職場によって、発生しやすい事故があります。さまざまな職種がありますが、なかでも工場など製造業の現場では、労災事故が多く発生していることをご存じでしょうか。また、労災事故によって亡くなった方の人数も決して少なくありません。

では、どうして製造業で労災が多数発生しているのでしょうか。その原因はいろいろあります。安全に関する教育が十分おこなわれていなかったことや、安全管理そのものが不十分であったことなども挙げられます。ケガ防止のための対策がおこなわれていなかったこともあるため、安全に対する徹底した対策が必須だと言えるのです。

工場と言っても、扱うものはそれぞれ異なるでしょう。しかしながら、どのようなものを扱うにせよ、安全に対して真剣に考える必要があります。次に、工場で多く見られる事故についてご紹介します。

発生しやすい事故1 はさまれ巻き込まれ事故

工場で特に多く見られるのが、操作中に機械にはさまれたりまきこまれてしまったりする事故です。指が機械にはさまれてしまう事故も少なくありません。あまりスキルのない従業員が操作をおこなっている際に事故が起こることがあるほか、経験がある従業員であっても操作を誤ってしまったことで発生することがあります。

発生しやすい事故2 転倒転落

床に置いていたものにつまずいて転んでしまったり、段差に気づかずに転倒してしまったりする事故も多い傾向があります。また、なんらかの理由で滑りやすい場所で仕事をしていたことで事故につながることも少なくありません。

また、高所作業の場合、安全管理が不十分だと転落する心配もあります。

発生しやすい事故3 飛来物による事故

作業に使用する機械についてきちんと整備しておかなければ、金属物などが飛んで人にぶつかるなどの事故につながることもあります。また、操作を誤ったために扱っていた物質が飛んで人に当たりケガをする場合もあるでしょう。

発生しやすい事故4 切り傷

ちょっとした不注意で、指先などを切ってしまうことがあります。道具や機械の使い方を間違ったり、機械の整備が十分でなかったりするために発生します。

工場内で出来る安全対策とは

どんな職場であれ、安全対策が必要です。工場内で働く場合、いわゆる「5S」に注意することも大切です。また、暑くなる季節はもちろん、一年を通して熱中症対策をおこなうことをおすすめします。

作業に集中していると、体調が変化していることに気付きにくいこともあるため注意が必要です。特に、まだ入社して間もない従業員がいる場合は、丁寧に監視しながら体調管理を含め安全に努めるよう指導しましょう。

5Sを徹底

5Sとは、「整理」、「整頓」、「掃除」、「清潔」、「しつけ」のことです。これらの頭文字をとって5Sと呼ばれています。5Sに力を入れるべき理由は、職場環境を良い状態で維持することができるからです。それが、安全対策にもつながります。

しつけとは、従業員が理解し注意しながら仕事ができるようにするための教えです。整理、整頓、掃除、清潔が必要なことであるとわかっていても、それが習慣化されなければ良い結果につながりにくく徹底することが難しくなります。

必要ないものは処分しスペースを確保してものが見つけやすい状態(整理)にしたり、従業員全員がものを定位置に保管(整頓)したりすること。働く場所や使用する機械をきれいにして良い状態(掃除)にし、それを維持(清潔)すること。これらを全員で守ることで、安全対策と生産アップが目指せます。

熱中症にも気を付ける

工場の安全対策として、熱中症対策を忘れてはいけません。それは、会社にも従業員一人ひとりにも同じことが言えます。

会社ができる熱中症対策

工場内の暑さが心配な時は、断熱フィルムなどで窓から入り込む熱をカットする方法もあります。また、スポット空調を導入したり、ビニールカーテンを取り付けて、作業する人の周りを効率よく涼やかにしたりすることも可能です。また、吸排気フードを設置することで工場内の温度の上昇が抑えられますので、検討してみてはいかがでしょうか。

可能であれば、自動空調システムを取り入れるのもおすすめです。自動空調システムは、現在使用している空調に後付けすることができます。

現在空調を使用している方のなかには、効きが悪いと感じている方もいるかもしれません。古くなっていたり故障していたりする場合もあるため、一度点検してみることをおすすめします。

また、暑いだけで体力は奪われます。職場に、気軽に休憩できるスペースを設けるのも、熱中症対策としておすすめの方法です。ポイントは、水分と塩分補給できるものを用意することと、25度前後を意識して快適な空間を保っておくこと、そして誰でも遠慮することなく利用できるよう配慮することです。

会社でできる熱中症対策を行うことで、社員の安全を守ることができ、また作業効率もよくなり、一石二鳥です。

別記事の「工場内が暑くなる原因とは?従業員の熱中症対策も詳しく紹介」解説していますので、こちらもあわせてぜひご覧ください。

一人ひとりができる熱中症対策

こまめに水分補給をおこない、自身の体調に敏感になっておくことも必要です。また、空調服や暑さ対策ができるインナーなどを着用するなど、暑さ対策グッズを積極的に使用するのもおすすめです。

ほかにも、睡眠をしっかりとること、疲労をためない工夫をすることなども、熱中症対策に必要なことと言えます。

従業員の体調管理も大事

安全且つ安心して働けるように、従業員の体調管理も必要でしょう。体調管理が安全対策にもつながるからです。そのためのポイントは3つです。

1つは、やはり睡眠でしょう。きちんと眠れていないと、心身の健康を損なってしまうほか、日中に眠気を感じて作業に集中できなかったりミスにつながったりするからです。従業員が十分睡眠できるように、お昼寝などを取り入れてみるのも良いでしょう。

また、食についても気になるところでしょう。バランスが取れた食事ができるように、福利厚生制度を検討するのもおすすめです。3つ目は、運動です。従業員が気軽に体を動かせるように、運動に関する制度の導入も考えてみましょう。

まとめ

従業員が安心して仕事ができるように、工場の安全対策が必要です。ルールを作り守りながら仕事をすることで、未然にトラブルを防止できます。また、熱中症対策についても力を入れることが大切です。

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