社長の自覚を忘れた私は?

私は60歳のときに長村製作所の社長になりました。気が付けば、あと4か月で丸8年になります。

正直に言うと、今でも「社長とは何をする人なのだろう」と考えることがあります。

もちろん、この8年間で様々なことに取り組んできました。会社方針や中期経営計画の策定、制度改革、就業規則の改訂、賃金の見直し。さらに銀行との融資交渉、業界団体との付き合い、会計事務所や弁護士との連携などです。
時々、製造の手伝いや配送。

ただ、それらは私一人の力でできたわけではありません。いつも支えてくれる相棒や仲間がいたからこそ進められたことです。

しかも、よく考えてみると、こうした仕事の多くはサラリーマン時代から携わっていました。社長になったから初めて経験したわけではないのです。

では、社長になった私にしかできない仕事とは何なのでしょうか。

社員が働きやすい環境を作ることなのかもしれません。しかし、それも社長が一方的に「こうしなさい」と押し付けて作るものではないと思います。本当に良い職場は、そこで働く社員一人ひとりが主体となって作り上げるものではないでしょうか。

会社の理念やフィロソフィーについても同じです。社長が立派な言葉を掲げるよりも、みんなで話し合い、考え、育てていくほうが本物になる気がします。

そう考えていくと、ますます疑問が湧いてきます。

社長とは何をする人なのだろう。

答えはまだ見つかっていません。

ただ一つ言えるのは、何かが起きたときに最後の責任を負う人なのかもしれない、ということです。成果も失敗も、最終的には自分が受け止める。それが社長という役割なのかもしれません。

しかし最近は、それだけでもないような気もしています。

会社が進む方向を示し、社員が安心して挑戦できる環境を整え、みんなが持っている力を引き出す。そのために考え続けることこそが、社長の仕事なのかもしれません。

8年経った今でもまだ答えを探しています。

迷える社長です。

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